『世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく』2007/6/28
渡辺 健介 (著), matsu(マツモト ナオコ) (イラスト)

世界的な経営コンサルティング会社で使われている「問題解決能力」のトレーニングを、中学生向けにやさしく解説してくれる本です。物事の本質を見極め、打ち手を考え、具体的な行動に落とし込む「問題解決力」がシンプルに分かります。
さて、何か問題が起きた時には、どうしたらいいか分からなくて逃げ出したり、誰かのせいにしたりしがちですが、そんなことばかりしていても問題解決にはつながらず、問題解決の能力もつかないまま大人になって困ることがあります。
実は「問題解決力」は持って生まれた才能ではなく、「癖」なのだそうです。自分の力で考え、行動するという経験を積み上げていくと、「考え抜く癖」「前向きな姿勢の癖」がついてくるのだとか。
この本は、経営コンサルタントで使われている「問題解決」の手法を、身近な具体例を使って中高生にも分かりやすく教えてくれます。
一般的に問題解決の流れは、次のようになります。
1)現状の理解→2)原因の特定→3)打ち手の決定→4)実行
本の中では、中学生バンド「キノコLovers」が、より多くの人にコンサートに来てもらうためにはどうすればよいかを、「問題解決の手法を使って解く」例が紹介されます。
また、CGアニメの映画監督になることを夢見るタローくんが、まずパソコンを手に入れるために「具体的な目標を立てて達成する」例も紹介されます。
このように中高生にとって身近な例を使って、問題解決のための手法の「分解木」や「課題分析シート」、「マトリックス」、「実行プラン(工程表)」の作り方・使い方を、具体的に教えてもらえるので、「問題解決」や「目標達成」のために、何をどうすればいいのか理解しやすいと思います。
問題解決能力に似たクリティカル・シンキング(批判的思考)は、米英の一部の学校で、国語や歴史などの授業を通じて教えられているそうですが、日本でも、このような授業があると本当にいいのにな、と思わされました。
でも……正直に言って、自分が中学生の頃には、このような「大人っぽくて前向きな」考え方はとても出来なかったなあ、と反省もさせられました(汗)。中高生のみなさんは、この事例ほど完璧に「問題解決」や「目標達成プラン作り」を行う必要はないと思いますが、少なくとも人生の早い時期から、これらの手法を習得することは、より良く生きていくために、すごく役に立つと思いますので、ぜひ読んでみて欲しいと思います。そして少しずつでいいので、自分の問題解決や目標達成のために使ってみてください。
著者の渡辺さんも次のように言っています。
「問題解決能力は、一度本を読んだだけで身につくものではありません。「理解できること」と「使いこなせること」の間には多大なギャップがあります。実際にさまざまな問題に遭遇し、あきらめずに何度も解いてみることで、徐々に身についていくのです。」
また、この本は中高生向けに分かりやすく解説してあるので、問題解決や目標達成プランが苦手だという大人の方にも、とても役に立つと思います。ぜひ読んでみてください。