『こんな街に「家」を買ってはいけない』2016/11/10
牧野 知弘 (著)

これから都会でも確実に起こるニュータウンを中心とした戸建て住宅の財産価値の崩壊。日本人が「家」に抱いてきた「財産」という価値観が、根底から崩れる未来を警告してくれる本です。
住民の高齢化、崩壊する生活基盤、空き家の増加……今、郊外の住宅街は破綻の危機にあります。あまりに暗い話ばかりで、読みながら「ぎゃー」と悲鳴をあげたくなる一方、たしかにその通りだ……と納得させられる話も多く、すごく参考になりました。バブル絶頂期には1億5千万円もした郊外の高級住宅地が今や3千万でも売れず、人口が減少してスーパーマーケットや病院もなくなり、今後も寂れる一方だろうと予想される場所が多いとか……郊外の高級住宅地を買っていなくて本当に良かったとホッとしました(貧乏万歳)。
いまや「不動産に対する考え方を変えるとき」が訪れているようです。
「最近の日本の不動産は、どうも「繁栄の象徴」とは言えなくなっています。郊外戸建て住宅地を中心に「あったはず」の価値がどんどん失われ、「売れない」「貸せない」「誰も住む予定がない」家が激増しています。」のだそうです。
だから「住宅を賢く買うには」、「住んで楽しいか」「利用価値がどれだけあるか」をよく考える必要があるのだとか。
そして「不動産価値のすべては「土地」にある」のだそうです。建物は劣化しますが、土地は劣化しないので、不動産選びは「土地」で選ばなければ失敗するそうです。そして失敗しない住宅地は、1)昔ながらのブランド住宅地か、2)街の「新陳代謝」が活発なところ(転入転出が多い)場所なのだそうです。
一方、次のような場所に住んでいる方は、25年後の町の姿を思い浮かべて、対策を考える必要があるのかもしれません。
1)東京までの通勤時間が1時間を超える
2)1970年代から80年代にかけて開発された
3)駅からバス便である
4)丘陵地などにあり、住宅地内の傾斜がきつい
5)近隣に観光地など人の集まる場所がない
6)地域内にめぼしい産業がない

個人的には、「4)丘陵地」は「地盤が固い」場所が多いので、地震などの面から考えると住宅地適地ではないかと考えていたのですが、「斜面がきつい」と車椅子などでの移動が困難になるので、やっぱり良くない場所のようです。
……過酷な現実を突き付けられたような気がしました。が、よく考えてみると、いまや「空家」が激増しつつある状況なのだから、「老人になった時に、住宅を借りられなくなるかもしれない」ことを恐れて、若いうちに慌てて住宅を購入する必要はなくなったとも言えるのでしょう。
「住宅はじっくりと選別して、自身が本当に気に入った住宅を選択する時代。自らのライフステージの中で、「賃貸」で過ごすのか、購入するのかを自由に判断することが問われています。」だそうなので、「ずーっと賃貸生活」も気楽でいいかな、と思ってしまいました。周りの環境が変化した時に、すぐに転出できますし……(汗)。
この本には、これから家を買う予定の人には、ぜひ知って欲しい内容が満載です。そろそろ家を買おうかな……という方は、ぜひ読んでみてください。