『図解 マインドフルネス瞑想がよくわかる本』2017/4/26
有光 興記 (監修)

イラストやチャートを使って、マインドフルネス瞑想の基本的な手法と理念をわかりやすく紹介してくれる本です。
マインドフルネス瞑想は、悩みごとやストレスの解消につながる瞑想法で、「いまこの瞬間に起こっている感覚や感情、思考に気づき、ありのままに受け入れる」状態になるための瞑想です。
……ちょっと分かりにくい気もしますが、「悟り」の境地に至るための瞑想法という感じでしょうか?(汗……さらに分かりにくい?)
「悟り」というのは、「良い人間性」の一つの側面だと思いますが、マインドフルネス瞑想でそこに至るのは、「反省」という方法を使うのではないそうです。「反省」というのは、「失敗の原因や背景を探る」、「同じ失敗をしないように対策を考える」ことで、それは、すごく良いことのようですが、実は、「自分や周囲の環境を批判」していて、「繰り返して落ち込む」危険性があります。
それに対して、「マインドフルネス瞑想」では、「ものごとへの対策や答えを探そうとしない」のが大切で、「身体の感覚に「気づく」ことに集中」しますが、その途中で雑念が湧いてきても、それを考えることも否定せず、それが「一瞬の考えにすぎない」ことに気づくよう自分自身を誘導していきます(身体の感覚に集中するように気分を戻していく)。これを続けることで、次第に「悟り」の境地に近づいていくわけです。
この本では、マインドフルネス瞑想の具体的な方法として、もっとも基本的な呼吸の瞑想から、食べる瞑想、飲む瞑想、座る瞑想、立つ瞑想、歩く瞑想、感じる瞑想、慈悲の瞑想、日常の瞑想など、様々な手法を紹介してくれます。
マインドフルネス瞑想を始めるためには、特別な場所や道具、姿勢、知識は必要ないそうです。(ただし、初心者の方は、瞑想専用のスペースを作る、鐘を開始の合図に使う、などの工夫をすると、瞑想に入りやすいようですが……)
そして、もっとも基本的な手法「呼吸の瞑想」は、「楽な姿勢で、呼吸に注意を向け続ける」もので、その効果は、「呼吸に集中することが、意識の中心になってきます。なにか考えが浮かんでも惑わされず、いつでも呼吸に意識を戻せるようになります。それは心の基礎体力となり、日常生活でもよけいな考えに振り回されなくなるのです。」なのだとか。この「呼吸の瞑想」はいつでも、どこでも、やりやすいので、ぜひ一度やってみて欲しいと思います。
特に「意識高い」系の方は、常に「ドゥーイング・モード(いつも何かを考えている。そして行動に移そうとする)」にあるような気がしますが、このモードでは、「悩みが深まりやすい」そうです。マインドフルネス瞑想を続けていくと、悩みにとらわれない「ビーイング・モード(よけいなことを考えていない。いま目の前にあるものに集中)」に移ることが出来るので、心の働きが整い、本来の力が発揮されるようになるのだとか。
私自身は、自分のやらかした失敗を思い出しては「くよくよ」し、これからやらかすかもしれない失敗に「びくびく」していましたが、マインドフルネス瞑想を知ったせいか、(というより年齢を重ねて神経が図太くなったせいかもしれませんが、)「問題は起こった時に考えればいい」と開き直るようになり、「いま」に集中できるようになってきました。
初めてマインドフルネス瞑想をする方は、「あの失敗にどう対処しようか」とか「次にやる仕事は何だっけ」とか、雑念がどんどん湧いてくると思いますが、それをいったん「脇に置いて」自分の呼吸などに集中するように気分を変えていくことを続けているうちに、「すぐにやらなくても構わないこと」を、冷静に棚上げできるようになるのではないかと思います。
マインドフルネス瞑想は、心を整えるのにとても有効な方法です。この本は、マインドフルネス瞑想全般について、とても簡潔に紹介しているので、入門書として読みやすいと思います。ぜひ読んでみてください。