『アクセル デジタル時代の営業 最強の教科書』2017/6/2
マーク・ロベルジュ (著), 神田昌典 (監修), (監訳)神田昌典 (その他), & 2 その他

MIT出身エンジニアのロベルジュさんが、営業活動を科学的に分析して見出した「営業の方程式」を具体的に教えてくれる本です。
ロベルジュさんが勤めていたハブスポット社は、マーケティング・オートメーション(MA)の会社。創業当初、営業スタッフがひとりもいなかった同社を、彼は世界有数の企業へと成長させました。その鍵となったのが、「予測可能で測定可能」な営業組織を築くことで、この本はその方法論を具体的に記したものです。
その概要は、「「売れる営業スタッフ」の特性を「感覚」ではなく「データ」に基づいてモデル化し、そのモデルに合致するように、狙って人材を採用し、育成し、評価をすることで、拡大再生産を実現すること」。
この本は、その成功手法について、採用のロールプレイング現場から、営業スタッフの具体的な歩合率、営業マネージャーのコーチング手法に至るまで、惜しみなく公開してくれています。
ただし、この方法はアメリカの会社に適したもので、日本の会社にそのまま適用可能なものとは言えないようですが、方法や実例がいろいろと具体的に紹介されているので、その中から、自社の営業組織の改善へのヒントを見いだせるのではないでしょうか。
個人的にすごく参考になったのは、ハブスポット社の営業売り上げと強い相関関係にあった5つの要素(コーチング応用力(コーチングを受け入れ、学び、応用する能力)、好奇心、成功体験、知性、勤労意欲)で、これらの能力の高い人材ならば、ハブスポット社でなくても(どんな業種の会社でも)、高い成果をあげられそうに思いました。この人材を見出すための「採用のロールプレイング現場」具体例は、すごく使えそうです。
そして「優れたチームは継続的改善を基本理念に掲げている。「アクセル」のカギとなる要素は、実験文化を育てることである。」だそうです。これも営業組織だけでなく、他の組織にも適用可能な理念ですよね。
「うまくいっている営業スタッフの技能」をモデル化して、それを習得できそうな人材を採用し、育成・評価し、良かったこと・悪かったことをフィードバックして、より良くなるように改善していく……これが一番のコツだなと感じました。
副題の「デジタル時代の営業 最強の教科書」に相応しい充実した内容の本です。ぜひ読んでみてください。