『エドワード・ゴーリーの優雅な秘密: 展覧会公式図録』2016/4/15
カレン ウィルキン (著), 濱中 利信 (著), 柴田 勢津子 (著), & 3 その他

2016年4月から開催された「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展の公式図録です。
2000年にゴーリーさんが亡くなってから、各国を巡回した原画展(「Elegant Enigmas」)を初めて日本で展示する「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展。多数の原画・書籍・資料が公開されたそうですが、この本はその公式図録。ゴーリーさんの創作活動に関する解説の他、多数のイラストが収録されていて、ハードカバー&美術カタログらしい上質紙を使った立派な装丁の大型本です。
とりわけ興味深かったのは、創作途中のスケッチの写真で、こういうものは普段目にすることがないだけに貴重だなーと思いました。あのユーモラスな作品たちも、しっかり構想を練って描いていたんですね……。
この本の冒頭では、「エドワード・ゴーリー どこか落ち着かない気分にさせられる人」というタイトルで、ウィルキンさんがゴーリーさんの人物紹介をしてくれているのですが、その先頭に、ゴーリーさん自身の言葉が引用されています。
「どういうわけか、人生におけるわたしの使命は人をできるだけ不安にさせることなんですよ。人はみんなできるだけ不安になるべきだと思うんです。世界というのは不安なものだから」
……なるほど……だからゴーリーさんの作品では、こどもたちがいつも不幸な目にあわされているのかな、「世界は不安なものだ」ということを教えこまれるために……。
ゴーリーさんのイラストは、どこか変で怖いところもあるけど、なぜか笑ってしまう「謎めいた魔力」に満ちています。今回の図録を眺めても、庭木のトピアリーに襲われている人々(刈り込まれた庭木に造形的に組み込まれているんでしょうか?)のような、そもそも何故このような絵を描こうと思ったのか?というほど凄まじい謎の絵がいっぱい。ぱらぱら眺めていると、どんどんわけがわからなくなって、思わず笑ってしまいます。
ゴーリーさんの魔力を堪能できる図録。ファンの方には宝物になること間違いなしです。