『ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った』2013/8/30
堀江 貴文 (著)

長野刑務所での2年半の刑期中、ネットがつながらなかったので、仕方なく本を読み漁ったという堀江さんが、おすすめの本とその理由を教えてくれる本です。獄中で読んだ千冊から選び抜かれた本の情報だけでなく、刑務所生活や自分の考え方なども紹介してくれます。
紹介される本は、『二重らせん』『とんび』『山賊ダイアリー』など……意外に(?)読んでなかった本も多くて、とても参考になりました。
が、オススメ本よりもタメになったのは、「堀江さんの考え方」。
「(刑務所に入ることになって、)たった1日で、半世紀以上も昔の情報環境に逆戻りである。(中略)“情弱”になるには、十分すぎる時間と環境だ。」「ネットでリアルタイムの情報収集はできず、書籍は差し入れでしか送られてこない。すべての書籍は官(刑務官)の検閲にかけられ、面倒な手続きが必要だ。自分の持てる本の数は、部屋の本棚と私物バッグに入る分に限られている……。」
「これらの本は、いわば僕が刑務所という情報の壁の向こう側で、時間とたたかいながらキュレーションした名作たちである。」
「そう、僕の「情報脱獄」は、成功したのだ。」
……「プロローグ」にあるこれらの文章に、堀江さんの「人生への向き合い方」が如実に現れています。この人には、どんな場面でも「へこたれない根性」があるのだなーと感心させられました。
またキュレーションした名作や、刑務所内での生活への感想などの文章には、「柔軟で合理的な思考力」を感じました。
堀江さんの最大の強みは、「批判を恐れない」強い精神力にあるのでしょう。これはもしかしたら彼が獄中生活を送ることになった原因の一つなのかもしれませんが(汗)、やはり、出獄後の彼の「復活」ぶりにもつながる最大の強みなのではないかと思います。
たとえばキュレーションした本の中には、『「反原発」の不都合な真実』や、『A3』という本が含まれていて、「原発」は本当にそんなに怖いのか?ということを冷静に分析していたり、オウム真理教の事件を通してマスコミの構造に思いをめぐらせていたりします。現在は、「原発=怖い」「オウム真理教=悪」という意見が多数派ではないかと思いますが、多数派の意見に単純に流されず、自分の頭で考えてみるという姿勢に、すごく共感しました。
「歴史というものは、常に変わり続ける「今」から解釈されるものだ。だから、今「正解」とされているものが未来に変わることもあるし、過去に「間違い」だとされていたものが今になって「正解」になることだってある。とどのつまり、歴史というものは、完結したものではなく、今も変わり続けているものだ。」
という堀江さんの意見は、すでに「過去」として完了しているはずの「歴史」ですら、どういう方向から見るかで評価が変わることを教えてくれます。この考え方は、もちろん「歴史」だけでなく、「現在のニュース」報道を見る場合にも使うべきだと思います。重要だと感じたニュースは、複数のソースから眺める必要があるのでしょう。
さて、堀江さんは、「情報が入ってきたら、すぐにビジネスモデルにしてアウトプットする習慣をつける。」ようにしているそうです。本当に、常に「前向き」かつ「アクティブ」なのですね!
現在の堀江さんにとっては、この本漬け獄中生活が、結果的に大いにプラスに働いているように思えます。どんな状況からも「プラス」を引き出すこの態度を、ぜひ見習いたいと思います。読んでみて下さい。