『鳥のフィールドサイン観察ガイド』2016/11/12
箕輪 義隆 (著)

地面に落ちている鳥の羽や足跡、使わなくなった巣など、鳥が残した生活の痕跡「フィールドサイン」を楽しむための日本初のガイドブックです。
まず「探してみよう フィールドサイン」の章では、街中や水辺などで鳥の足跡や糞などを見つけやすい場所を教えてくれた後、記録の仕方や「あると便利な観察道具」なども教えてもらえます。ちなみに「あると便利な観察道具」としては、「カメラ」「保存容器(タッパー&ビニール袋)」「フィールドノート」「折れ尺」「双眼鏡」が紹介されています。「折れ尺」とともに鳥の足跡写真を撮影すると……なんか急に「観察記録」っぽくなりそう(笑)。夏休みの自由研究としても楽しそうな気がします。
その後は、「足跡」「糞」「ペリット」「羽毛」「古巣」「食痕」「その他のフィールドサイン」と続き、身近に観察できる鳥のフィールドサインを中心に、図鑑のように写真やイラスト付きで掲載されています。「足跡」などの写真・イラストは実物大のものと、そうでないものが混在しているようですが、ほぼ実物大のものには「印」をつけてくれるともっと良かったのにな、と思ってしまいました(汗)。もっとも足跡にはきちんと「平均サイズ」が掲載されてはいますが……。
さて「足跡」にはわくわくさせられたのですが、次の項目はいきなり「糞」です(汗)。……たしかに街中で一番よく見かける鳥のフィールドサインといったら、これですよね……。でもこれを見たとたん、そう言えば以前、散歩中に、鳩に上空からTシャツの肩にフィールドサインをくらったことがあったっけ……という悲しい記憶が甦り、憂鬱な気分になってしまいましたが、よく考えると「糞」は生物の生態を知るのに、すごく有益な手がかりになるものですよね。私たちも健康診断で尿検査とかするわけですし……。
そして「糞」の後は、「ペリット」「羽毛」「古巣」「食痕」と続き、身近な鳥を普通の図鑑よりも多角的に知ることが出来て、すごく興味深かったです。
ところで「羽毛」の章に、カラスのものがなかったので、一番身近な鳥だけど、やっぱり著者の方もあまりカラスは好きじゃないのかな……と思っていたら、本の終り近くに「カラスとカワウで始めてみよう」という章があり、カラスとカワウは、フィールドサイン観察の実践編として詳しく掲載されていたのでした。カラスは一般的に好かれているとは言えませんが(汗)、とても賢い鳥だし、日本全国で観察できる最も身近な鳥ですものね。でも……鳥の観察は、浜辺の水鳥の足跡から始めるのが一番楽しそうな気がしました(笑)。
「見る・撮る」とはひと味違う、新しい野鳥観察の楽しみ方を教えてくれる本です。探すためのコツや採集・保存の方法だけでなく、フィールドサインから推理できる鳥の生態も解説されていて、すごく参考になりました。足跡のイラストから糞、ペリット、羽毛、古巣、食痕まで、こんなに詳しく写真掲載されている図鑑はめったにないと思います(これだけのものを採集する努力を思うと……頭が下がります(笑))。野鳥や生き物が好きな方は、ぜひ読んでみてください☆