『世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる』2016/7/29
久賀谷 亮 (著)

脳を休息させる方法を教えてくれるマインドフルネスの入門書です。
2部構成になっていて、第1部は「脳の疲労を解消する7つの休息法」、第2部は「マインドフル・モーメント」という瞑想と脳科学を題材にした物語です。
この構成がとても素晴らしい。まず第1部は、マインドフルネス呼吸法などの7つの「休息法」を見開きページで簡潔に具体的に教えてくれるので、時間がない人はここだけを読むことも出来ますし、物語を読んだ後に、自分で実践する時のガイドとしても活用できます。
そして本書の大部分を占める第2部の物語は、自分自身もストレスに悩むイェール大学精神神経学科研究員の若い女性が、大学の教授からマインドフルネスの教えを受けて、アルバイト先のベーグル店の問題(どよーんとした状況)を解決すると同時に、自分自身の悩みも解決していくという内容で、この物語を通して、第1部で学んだ「脳の疲労を解消する7つの休息法」の実践方法を学べると同時に、瞑想や脳科学に関する最新情報も学べるという、ベーグル店らしい「美味しい」物語です(笑)。大ヒットした自己啓発書『もしドラ』や『コミックでわかる○○』形式の自己啓発書という感じで、楽しく物語を読んでいるうちに、自然に「マインドフルネス」に関する知識や実践方法が身についていきます☆
さて最近の脳科学によると、「ぼんやりしているときでも脳の一部は活発に働いている」ことが判明してきたそうです。このデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)という脳回路は、なんと脳の消費エネルギーの60~80%を占めていて、休んだはずなのにすっきりしない、丸一日ぼーっとしていたのに疲れがとれないという理由は、これによるものらしいのです。このDMNを休ませるのに効果的なのがマインドフルネスで、これを活用すると、ただ脳を休息(充電)させるだけでなく、なんと脳の構造を変えて「疲れにくい脳」まで手に入れられるそうです☆ この本で教えてくれる「脳の疲労を解消する7つの休息法」、実行しない手はないですよね。
7つの休息法のうち、「瞑想」や「呼吸法」はごく一般的に知られていますが、自動操縦モードから脱するための「ムーブメント瞑想法」は、ちょっと面白い方法だなと思いました。日常的に「ながら操作」をしていて自動操縦モードに慣れた人間は、集中力が減っていくそうです(汗)。このモードから脱出するためには、歩行瞑想(自分の歩き方に細かく注意を向ける)などが効果的だとか。
また「ほとんどの苦難は将来への不安で水増しされる。」という教授の指摘は、子供の頃から「くよくよ」してばかりいた私にとっては、実感として受け止められました。もっとも現在では、「その時はその時。なるようにしかならない」と考えるようにして、将来への過剰な不安からは解き放たれていますが(笑……老化とともに能天気化しただけ?)。教授によると「目の前にあるトラブルは、それ自体では大したことはない。(中略)いまここに集中することこそが、心の復元力を高めるための最もスマートな方法」なのだそうです。「目前の一歩一歩にフォーカスする」ことが大事なのですね。
とても参考になる本でした。ぜひ読んでみてください。
本書のなかで印象に残った言葉を、最後に紹介させていただきます。
「静かな心を持つと、内面にある叡智が目覚める」