『〈図解〉基本からよくわかる品質管理と品質改善のしくみ』2015/10/16
西村 仁 (著)

品質管理や品質改善の基礎がよくわかる解説書です。
入門書のような分かりやすさですが、品質管理の教科書的な知識だけでなく、品質改善のための実践的な方法まで総合的に解説されているので、はじめて品質管理を学ぶ方にはもちろんのこと、管理監督者や経営幹部の方も読んで損はないと思います。
また、品質管理の役割は、不良品が顧客へ流出する外部不良(クレームやリコール)を防ぎ、そもそも不良をつくらない実力のある現場を目指すことで、そのためには積極的に現状の問題点を見つけて改善し、それを維持することが大切だという、品質管理的な考え方は、製造業だけでなく、サービス業などでもとても参考になると思います。
主な内容は、次の通りです。
「第1章 企業にとってなぜ品質が大切なのか」
「第2章 品質を管理するとは」
「第3章 守りの「検査」と攻めの「予防」」
「第4章 数値とグラフで見る」(数値での表示の方法など)
「第5章 問題解決に役立つ手法」(QC7つ道具、チェックシートなど)
「第6章 品質改善をどう進めるか」

なかでも参考になったのは、「第6章 品質改善をどう進めるか」で、現場から「つくりやすさ」の発信をすることが大事だとか、設計審査では、ダメ出し(指摘)だけでなく、具体的なアドバイスをするように心掛けるなど、より良い製品やサービスを提供するために、全社的に協力していく必要があるということでした。
品質管理や品質改善に関する総合的な解説書なので、新入社員の教育にはもちろん、品質管理部門の方が、自分の知識を復習するのにも役立つのではないかと思います。