『失敗の整理術 耳の痛い話はすべて日記につけよ』2014/1/18
中田 宏 (著)
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衆議院議員や横浜市長を歴任してきた政治家の中田宏さんが、自分の経験を通して「失敗」の整理(落ち込みからの回復、失敗から教訓を得る)方法を教えてくれる本です☆
28歳で衆議院議員に当選した方なので、失敗が少ないエリート人生を過ごしてきたんだろうな、とか、叩かれ慣れていてメンタルが強いんだろうなー、とか勝手に想像していたのですが(汗)、中学の野球部でレギュラー定着できなかったり、大学に二浪していたりと、意外と優等生勝ち組人生ばかりではなかったことに驚きました。
しかも「失敗の整理」方法として日記をつけることを始めたきっかけは、なんと横浜市長時代に、某雑誌で一か月以上も(女性への強制わいせつ疑惑)(横浜市の公金横領疑惑)などの事実無根の捏造記事を掲載されたことだったそうです。裁判を起こすことで、これらの記事が事実無根であることが証明されたのですが、そもそも「事実無根の捏造記事」を堂々と掲載できる大手の出版社があることに慄然とさせられました。
そして娘さんの交通事故……落ち込んだ時に、体の中に弱音やどすぐろい感情が鬱積してくるのを感じて、それを吐き出すために毎日、日記をつけ始めたそうです。
こんな時、普通だったら、その日に起こった嫌なことや、誰かの悪口などを書き連ねそうに思いますが(汗)、中田さんはそうはしませんでした。なんと「感謝日記」をつけ始めたのです。日記帳には、自分がその時に考えていることを書き、身の上に起こっていることは、身に覚えがないことであっても、「試練」と受け止めて感謝しつつ受け入れることにしたそうです。
……凄いと思いました。
そして正しいとも感じました。嫌なことや悪口を書き連ねても何にもなりません。悪感情を吐き出すために一度は思いっきり悪口を書いても構わないと思いますが、書いたらそれを粉々に千切って捨ててしまった方がいいと思います。そうしないといつまでも、そのページに自分自身の悪感情が残って、今度はそれがこちらを見返してきます。そのページを見るたび「ちくしょう、あいつめ……」と嫌な気持ちがまた甦ってくるだけでなく、自分の醜い感情を恥ずかしく思う気持ちがその怒りに加わって、ますます落ち込み、マイナス感情へ向かうだけの螺旋ループを、無限に描き続けることになってしまいかねません。そんなことに時間やエネルギーを消費するのは、すごく無駄だと思います。ましてそれで相手が反省してくれるわけでもなく、ただ自分の精神を傷つけるだけなんて、本当に馬鹿らしいです。いろんな「失敗は整理」して、克服しましょう☆ (ちなみに私自身は、日記には自分の感情をほとんど書きません。まして嫌な感情など残しても何一つ良いことはないので、わざわざ日記に残す必要もないと思います。ただしトラブルについては後日の参考とするために、「事実」や「原因」「対処」など、必要事項のみを記録しています。それでもどうしても怒りが解消できない場合は、そのエネルギーを「裁判を起こす」などの具体的解決方法への行動に向けたほうが、ずっと生産的だと思います。)
さて、えーと、この本では、他にも、人の意見を「正しく疑う」ことや、情報をどう集めるか、果ては「10年も風邪をひかない」方法(手洗い励行)まで教えてくれ、すごく参考になりました。
なかでも「正しく疑う」ことは、政治家の中田さんだからこそ、特に必要な技術ではないかと思いました。人が教えてくれる話や意見を、そのままうのみにしてはいけないそうです。官僚は組織防衛のために必要な情報を教えてくれないことがありますし、世の中を変えようとするときには、それによって損をする既得権者が、自分に有利な意見を通そうとしてきます。そして……なんと事実無根の話を捏造する人さえいるのですから。
また「習慣力を身につける」話や、「挫折の時ほど本質が問われる」という話にも、経験による重みを感じさせられました。
これらのさまざまな実践的な「失敗の整理」方法が参考になっただけでなく、有名な政治家の人も、いろいろな苦労をしているのだなーということを具体的に知ることで、失敗や苦労しているのは、自分だけじゃないと実感でき、勇気づけられる本でした。
「失敗したとき、一人で立ち直ることができてこそ、人は成長できる」
……本当にそうだと思います。