『やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』2016/9/9
アンジェラ・ダックワース (著), 神崎 朗子 (翻訳)
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成功者の共通点は「才能」でも「IQ」でもなく「やり抜く力」だったことを、実験結果などから明らかにしてくれる本です。
例えば、成績も体力も抜群に優秀な人だけが入学を許可される米国陸軍士官学校では、5人に1人が卒業までに中退してしまうそうです。しかもその大半は入学直後に行われる厳しい7週間基礎訓練(ビースト)に耐えきれずに……。驚くことに、この中退者には、志願者総合評価スコアで最高評価を獲得した士官候補生たちも含まれているのです。では訓練をやり抜いた人たちは、中退した人たちとどこが違うのか……調査の結果、重要だったのは「絶対にあきらめない」という態度だったことが明らかになりました。
何かを天才的にできる人を見たとき、私たちはその人が「もともと才能がある人」なのだと思ってしまいがちですが、それは「努力によって成し遂げられた」ことを知ってしまうと、「本来は自分にも出来たはずのことなのに」と感じて精神的に辛くなってしまうから……という指摘は胸に突き刺さりました(汗)。
この本では、何かを成し遂げるのに、最も重要なのは「才能」ではなく、「やり抜く力」だということを数多くの調査結果とともに示してくれます。
そしてそれだけでなく、「やり抜く力」の伸ばし方も教えてくれます。方法の一つは、自分自身で「内側から伸ばす」方法(興味を掘り下げる、習慣化する、高い目標を設定してクリアする、目標と繋がっていることを意識、絶望的状況でも希望を持つ)。もう一つの方法は、「外側から伸ばす」(親、教師、メンターなど周囲の人々が重要な役目を果たす)方法です。
また「成長思考、やり抜く力を伸ばす表現」としては、「よくがんばったね!素晴らしい」「これは難しいね。すぐにできなくても気にしなくていいよ」「もうちょっとがんばってみようか。一緒にがんばれば必ずできるから」などがあり、その反対の「成長思考、やり抜く力を妨げる表現」には、「才能があるね!素晴らしい」「まあ、挑戦しただけ偉いよ!」「これは難しいね。できなくても気にしなくていいよ」「これは君には向いてないのかもしれない。でもいいじゃないか。君にはほかにできることがあるよ」などがあるとのことですが……後者の表現も、「子どもの才能を伸ばそう・失敗を慰めようという善意の気持ち」から言ってしまいがちなものが多いのに驚きました(汗)。気をつけないと、いけませんね……。
そして「やり抜く力」は自然に身につくものではなく、努力によって身につくものなので、「最後までやる習慣を身につけさせる」ようにすることも大事なようです。
とても参考になる本でした。
「やり抜く力」の次の文章を、心に刻みたいと思います。

「やり抜く力」が強いということは、一歩ずつでも前に進むこと。
「やり抜く力」が強いということは、興味のある重要な目標に、粘り強く取り組むこと。
「やり抜く力」が強いということは、厳しい練習を毎日、何年間も続けること。
「やり抜く力」が強いということは、七回転んだら八回起き上がること。