『一番やさしくNLPのことがわかる本』2010/2/25
浦 登記 (著), 白石 由利奈 (監修, 監修)
1609090034ap01n
NLPという心理療法で使われる手法のうち、日常生活で活かしやすい13の技法を紹介してくれる本です。
NLPとは、神経言語プログラミング(Neuro-Linguistic Programming)の頭文字をとったもので、ジョン・グリンダー(言語学者)とリチャード・バンドラー(心理学+数学)によって創始された心理療法。彼らが、当時劇的な治療効果を誇っていた「3人の天才」セラピスト(催眠療法家のミルトン・エリクソン、ゲシュタルト・セラピーのフリッツ・パールズ、家族療法家のバージニア・サティア)の治療効果と方法に着目して、その言語、非言語における共同パターンをプログラム化したものだそうです。
このNLPの技法は、心理療法のみならず医療、教育、政治、スポーツ、ビジネスなどの様々な分野で活用されていて、この本では、そのうちの次の13の手法を紹介してくれています。
1)ラポール(相手の信頼感を引き寄せる)
2)キャリブレーション(相手を観察する)
3)サブモダリティの変換(イメージを変えて苦手意識を克服)
4)アンカリング(条件づけのアンカリングで自分に魔法をかける)
5)タイムライン(タイムランで自分をしばっていた過去の記憶から脱出)
6)ポジション・チェンジ(違う視点から新しい意見や解決策を得る)
7)リフレーミング(違った見方で問題を捉えなおす)
8)望ましい状態を引き出すための質問
9)メタモデル(ミスコミュニケーションを防ぎ、考え方を広げるスキル)
10)ミルトンモデル(曖昧な表現で深層心理にアプローチ)
11)ビジュアル・スカッシュ(迷ったときに新しい道を示してくれる)
12)メタファ(メタファを使って伝えることで抵抗感なく受け入れてもらえる)
13)恐怖症の解消(自分の体験を外から見ることで「もう大丈夫」という気持ちに)

なかでも参考になったのは、「ポジション・チェンジ」という椅子を使う方法。
関係を変えたい相手がいる時には、二つの椅子を用意し、一つに自分が、もう一つには相手が座っているようにイメージして会話します。まず自分の椅子に座って、もう一つの椅子に座っている(イメージの中の)相手に話しかけます。それから立ちあがって移動し、もう一方の椅子に座わります。そして今度は相手になった気持ちで、もう一つの椅子に座っている(イメージの中の)自分に話しかけてみる、というものです。
なるほど、このようにすると自分の気持ちが再確認できるだけでなく、相手の視点になって自分を眺めることで、今の状況を見つめ直すことが出来るような気がします。
また「タイムライン」という方法も面白いと思いました。
これは「インタイムのタイムライン(自分を中心に未来が自分の前に、過去が自分の後ろに広がるイメージを持つ)」と「スルータイムのタイムライン(真ん中が自分で、自分の右側を過去、左側を未来に、タイムライン全体を見渡せる状態にする)」という二つの見方をする方法。
例えば嫌なことがあった場合には、過去のタイムラインに立ち、その場面を思い出してみるのだそうです。次に、そのタイムラインから外に出て、過去の場面にいる自分を眺めて客観視し、どうすればよかったかを思い描けたら、今度は、嫌なことがあった時から少し前の過去のタイムラインに戻ります。そして嫌な場面のタイムラインの内容を書き換えてみるのだとか……ちょっと難しいような気もしますが(汗)、過去の時間軸での「嫌な場面の書き換え」を具体的にイメージしやすいので、効果があるような気もします。
もちろん、これ以外の11の手法についても、具体的な方法の説明があります。イラストや漫画での説明が、とても分かりやすかったです。
ただし、この本は技法の紹介が中心なので、どんな場面の時には、どの技法を使うと良いのかについては、少し分かりにくい感じもしました(汗)。恐らくコミュニケーションで苦労している方には「メタモデル」が、何かへの恐怖症で悩んでいる方には「恐怖症の解消」が、特に参考になりそうではありますが……。
NLPや心理療法に興味のある方は、読んでみて下さい。