『SAS・特殊部隊式 図解最強トレーニングマニュアル』2014/11/14
クリス マクナブ (著)
1605020002AP01N
軍のテクニック(SAS・特殊部隊)を参考にして、身体能力を最大限に高めたいと考える人のためのガイドです。超人的レベルのスタミナ、持久力および筋力を身につけ、世界最高峰のレースにチャレンジするためのアドバイスが多数掲載されています。
健康のためにエクササイズしたいだけの私でしたが(汗)、軍隊ではどんなトレーニングをしているんだろうなあ、と興味を抱いて読んでみました。……結論から言うと「絶対無理」でしたが、最強になるためには、こんなトレーニングが必要なのかと知っただけでも有益だったと思います。
全体の構成は次の通りです。
第1章 身体面の準備
第2章 軍隊式ワークアウト
第3章 エクストリーム・ランニング
第4章 エクストリーム・ウォーター
第5章 エクストリーム・レジスタンス
第6章 クロストレーニング
第7章 メンタル面の準備
第8章 ケガ

まず「第1章 身体面の準備」。超人的な身体能力を手にいれるための近道はありません。そのためのトレーニングをするためには、まず自分の身体がそれに耐えられるよう準備が出来ているかを調べる必要があります。軍の基礎訓練では、特殊部隊の場合、毎月100人のうち30名が負傷するそうです。……そもそも特殊部隊を目指そうというような人の3割もが訓練でケガを……これを読んだだけで、その大変さが分かります。ただ、この章では、トレーニングに関する記述より、食事に関するアドバイスが多いように感じました。
続いて「第2章 軍隊式ワークアウト」。ネイビー・シールズのトレーニングの内容が紹介されています。新兵のトレーニングでは、次のようなプログラムになっているそうです。
「940mのスイミング(フィンつき)」「プッシュアップ(70回)」「プルアップ(10回)」「カールアップ(60回)」「6.4キロメートル走」
そして基本調整の第4週は「ヘル・ウィーク」として知られ、身体の試練は頂点に達します。5日半のあいだに、志願者は合計4時間の睡眠しかとらず、1日平均20時間のエクササイズを行います。志願者はまた、疲労しエネルギーを消耗した身体で、320キロメートル走り、何十キロも泳ぐ……この期間の脱落率は志願者の75%に達することもあるそうです。
うーん……無理だ(汗)。
この後の「第3章 エクストリーム・ランニング」「第4章 エクストリーム・ウォーター」「第5章 エクストリーム・レジスタンス」「第6章 クロストレーニング」は、現実の場所(山や海)でのトレーニングの紹介ですが、例えば「離岸流からの逃れ方」など、実用的なノウハウも教えてもらえます。(※離岸流とは、海岸から強く逆流する流れのこと。これに巻き込まれたとしても、沖に流されるだけで水中にひきこまれることはないので、しばらく仰向けになって浮き、エネルギーを補充します。そして海岸線と平行に泳いで離岸流を逃れます。離岸流は一般的に幅30-40メートル程度なので、横方向に泳ぐと、流れの外に出られるそうです。)
なお、各種トレーニング法はイラストで描かれていますが、残念ながら細かい動きが分かりにくいことも多いので、トレーニング本として使いたい方は、これだけでなく他の本も読む必要があるかもしれません(汗)。
そして「第7章 メンタル面の準備」では、身体トレーニングはもちろん上達の上で重要なカギになりますが、ビジュアライゼーションやメンタル・トレーニングも現実に効果があることが紹介されています。例えば「瞑想」や「アズ・イフ」の原則などは、とても役に立ちそうです。(※「アズ・イフ」の原則の研究では、感情が自分の身体状態に現われるのではなく、この逆に作用させるようにするのが効果的だと判明したそうです。例えば、落胆した時でも、顔に笑顔を浮かべると、落ち込んだ気持ちから回復していけるようです。)
さらに「第8章 ケガ」では、ケガの予防策の一つとして、心拍計を使ってエクササイズ中に最大心拍数が長時間続かないようにする方法などが紹介されています。また、熱中症の対処法などは、覚えておきたいと思いました。(※熱中症の患者の方は、まず落ち着かせてから、衣類や皮膚に冷水をかけて冷やすと良いそうです。)
この本は軍隊のトレーニング法を紹介しているので、全体的にかなり過酷な内容になっています。そうか「軍隊=敵と命がけで戦う軍人たち」なのだから、「生き残りのためのトレーニング」が必要なのだなと痛感しました。普通に健康のためのエクササイズをしたい人には、とても実行できないような内容ですが(汗)、究極のトレーニングをするために必要なことを知ることは、いろいろな意味で参考になったと思います。