『スーパーエリートの仕事術』
山下 厚 (著)
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経営コンサルタントの山下さんが、会議、資料作成、プレゼンテーションなどで、すぐに使えるビジネスマナーを具体的に教えてくれる本です。特に目新しい内容があるわけではありませんが(汗)、仕事の基礎的なコツを具体的、網羅的に教えてくれるので、特に新社会人の方は、この本を読むと、これからの仕事の効率をあげられるのではないかと思います。
たとえば第一章の「定常業務をスマートにこなすコツ」の最初の項目は、「関係者の連絡先、行動パターンを常に把握する」だったりします(笑)。電話でいきなり「佐藤さん、いる?」などと仕事の同僚への連絡がきたときに、すぐに取り次ぐためのコツです。
これを読んで、「おっ?」と思いました。こういう本当に基本的なコツは、ビジネス書では、なかなかお目にかかれないような気がします。会社の先輩が、昼休みに一緒にご飯を食べている時に、なにげなく教えてくれるコツのような……(笑)……でも、とても役に立つと思います。
このように、この本には、すごく実践的なのに基本すぎてビジネス書にはめったに書いていない「おじさんの豆知識」的なコツから、「自らのタスクに着手する前に作業計画を策定、工数見積もりを行う」「タスクの進捗状況は常に可視化、一覧化させておく」などの新社会人にはかなりハードルが高そうなコツまで揃っています。
……ただし、「おじさんの豆知識」的なコツや、会議、資料作成、プレゼンテーションなどのビジネスマナーに関するコツについては、とても具体的なアドバイスがあって役に立つのですが、「自らのタスクに着手する前に作業計画を策定、工数見積もりを行う」などの高度なコツに関しては、初心者がすぐに分かるほど具体的ではないような気がしました(汗)。この本を読む読者が、『スーパーエリートの仕事術』として教えて欲しいと期待しているのは、どちらかと言うと、この本では割とあっさり説明されている「上手なプロジェクト管理の方法」についての方で、作業計画をいかに実行しやすいように立てるか、とかアクシデントで作業計画に遅れが発生した時に、どのように対処すべきかなどの、すごく高度なコツのような気がするのですが……ちょっとタイトル倒れのような……?(汗)。
もっとも、これらのWBS(プロジェクト全体を細かい作業に分割し、全体を俯瞰するための一覧表)などに関する具体的なコツを説明するには、数ページでは到底足りないので、それだけで一冊の本を書かなければならないほどの分量が必要だとは思いますが……。新社会人などのビジネス初心者のために、できれば、この項目には、これらについても具体的コツを身につける助けになるよう、お勧め参考書籍リストなどをつけて欲しかったな、と思いました。
さて、この本では、最初の「はしがき」で、本の内容全体を俯瞰しています。普通の「はじめに」や「序文」を読むつもりで気軽に読み始めて、いきなりの内容の濃さに驚きました。でも考えてみると、最初に本全体の内容の概略をつかめると、それ以降を読むのがすごく楽になります。必要な部分だけを探すことも簡単に出来るようになり、読書をすごく効率化できるので、すべての論文やビジネス書が、このような形式になっていると良いのになあ、と思わされました。これも『スーパーエリートの仕事術』として真似したい技術の一つです☆ (できれば章タイトルは「はしがき」ではなく、「はしがき――この本の概要について」などそのものずばりの副題をつけて欲しかったと思います。内容が濃いだけでなく、かなり分量もあったので、単純な序文ではないことを初めから示しておいた方が心の準備もできるし、後から読み直す時にも効率化できるのではないでしょうか)