『伝える力 (PHPビジネス新書)』
池上 彰 (著)
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分かりやすいニュース解説などでおなじみの池上彰さんが、「話す」「書く」「聞く」の3つの能力の磨き方を紹介してくれる本です。
なかでも「伝える力」で大事だと思ったのは、「深く理解していないと、わかりやすく説明できない」という話。確かに、分かりやすい講義をしてくれる先生は、生徒から急な質問があっても、的確な答えを返してくれることが多かったと思います。それは深い理解があってこそ、出来ることなんですね。
また、「報告書を書く上では「編集」の仕事が参考になる。そこで求められるのは、どの事実を拾い、どの事実をそぎ落とすのか、という取捨選択の能力。「重要なこと」「重要でないこと」を判断する能力」という話にも納得できました。でも、これは意外に難しいことでもあると思います。「事実」にはいろんな側面があり、書き手がどこに焦点を当てるかで、読み手の印象が大きく違う場合がありますから。「どれを(重要なものとして)伝えるのが、相手にとって最も有用なのか」をいつも考える必要があるなとも思いました。
そして「コミュニケーション」の章では、「悪口は面と向かって言えるレベルで」という話に共感しました。私も、悪口は、本人がいるところで冗談として言うように心がけています(汗)。というのも、陰口というのは、それを言われている人の好感度が「マイナス1」になるだけでなく、言っている本人の好感度も「マイナス2~3」になるのを知っているからです。誰のためにもならないので、陰口はやめましょう(笑)。
さて、池上さんは「文章力をあげる方法」についても、「寝かせてから見直す(寝かせる期間は、長い文章であれば、できれば一週間ほど)」や「音読してみる」など、とても実践的な方法を教えてくれます。
ただ、一つ気になったのが、「第7章 この言葉・表現は使わない」の中で、使わないほうがよい言葉や文字としてあげられていた(「そして/それから」「順接の「が」」「ところで/さて」「いずれにしても」「絵文字の類」)について。
実や私もかつては、この中の「さて、ところで」という接続詞をあまり使っていなかったのですが、文章力を向上させることを教えてくれた本の中にあった「接続詞があった方が、読み手が理解しやすい」という文章を読んで、この「さて、ところで」を積極的に活用するように変えました。すると、この接続詞のところで「ここから話題が変わるのだな」という心構えが出来るので、格段に文章が分かりやすくなることが実感できたのです。
というわけで、ほん少しだけ気になる部分はありましたが、他の大部分はとても納得・共感できました。この本を参考に、今後も、できるだけ分かりやすく「伝わる」文章を書いていきたいものだな、と思います(汗)。