『IoTまるわかり』
三菱総合研究所 (編集)
最近流行の(?)IoTがよく分かる本です。
「IoT」とは「Internet of Things」の略で、「モノのインターネット」という意味。……なんとなく分かるような、分からないような言葉ですよね(汗)。実は、IoTはあまりにも広い分野に関わるので、その全貌が捉えにくくなっています。
この本では、IoTについてイメージしやすいように、まず序章で「2030年の社会」の生活がどうなっているのかをドラマ形式で見せてくれます。
例えば、健康志向が高い50歳男性の朝の起床シーン。睡眠中は、浅い眠りと深い眠りのサイクルが適切になるよう、ベッドが脳波を検知し、ベッドの凹凸が自動的に微調整されます。そして室温、湿度、睡眠状態、個人の嗜好から判断して、快適に起床がしやすい照明や音楽が流れて、男性は起き上がります。それからトイレへ行って便座に座ると、体脂肪率や体重、尿からPH、尿酸値を分析してくれる……これが、IoTで快適になっている近未来の社会だそうです(笑)。
その他にも仕事のシーンなどを見ることが出来るので、IoTについて、すごく具体的に理解できるのではないかと思います。
この本は「IT用語になじみの薄い読者」の方に、IoTを理解してもらうことを目的に書かれていますので、全体的に分かりやすく説明されていると思いますが、「IT用語」に詳しい方にとっては、分かり切った話ばかりで物足りないかもしれません(汗)。これはIoTの「入門書」です。
また「IoT」だけでなく、それに関連した話題のキーワード(「インダストリー4.0」「インダストリアル・インターネット」「ウェアラブル」「ドローン」「ビッグデータ」「O2O」「クラウド」「SNS」)などについても簡単に解説されています。
最近、ニュースを見ていても、新しいIT用語についていけない……と感じている方は、この本を読むと、短時間で幅広い知識を身につけられると思いますし、近い将来の社会がどう変わっていくかを予想しやすくなるのではないかと思います。