『ドイツの古城とライン川を行こう―ダヤンのスケッチ紀行』
池田 あきこ (著)
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池田あきこさんのドイツでのスケッチ紀行です☆ これは、絵本や児童書ではありませんが、イラスト満載の本なので、ここで紹介させていただきます。
池田さんがドイツへ行くきっかけとなったのは、長編物語のあらすじ作りで迷路に突入してしまったからだとか。舞台となるのが城や迷路のような中世の街だったので、城の実物を見よう、城といえば、中世といえばドイツ……ということで、「そうだ、ドイツに行こう」(笑)。そして城があるのは、やっぱり田舎なので……今回も、ドイツでのドライブ旅行です☆
ミュンヘン中央駅でレンタカーを借りて、現地の生活感にもたっぷり浸れるスケッチ紀行の始まり。ドナウのさざなみを眺め、お茶を飲んだテラスで隣の若者にドイツ語で話しかけ(!)、ロマンチック街道でパン屋さんのパン作り、そしてぶどうの収穫とワイナリーを見学。お城のホテルにも泊まります☆ 普通の観光旅行ではとても出来ない、ディープな情報満載です。
そして……ついに、タシルっぽい街も見つけます☆ ディルスブルグというピンクの城壁に囲まれたキュートな街で、山の上なので石畳の道も曲がりくねって坂になっているそうで、ぜひ一度、見てみたいものです。
ホルンベルグで鉄腕ゲッツの城に泊まった時には、塔に登って城の間取りをスケッチしているうちに暗くなり、手探りで階段を下りて行ったときに亡霊の気配を感じたとか。でもその「おっかない」と遊んでみるのが、池田さん流!
そしてハイデルベルグからマインツを抜けてライン川の旅。ブラウバッハでも古城のホテルに泊まります(今回の旅のテーマは「古城」なのです)。またワイン作りを学んでいるという日本人の女の子と出会って、話を聞いたりワイン醸造所を案内してもらったりもします。
ところで今回の挿絵には、いつもと違って木版画が多いのですが、それは、池田さんがマルクト広場の本屋さんで購入した木版画集に感動して、ドイツから帰るとすぐにクレイボードに、ドイツの街を次々に彫っていったからだそうです。クレイボードは木版よりずっと手軽にできるそうですが、いつもとちょっと違う雰囲気で、とても素敵です。