『パコと魔法の絵本 ガマ王子対ザリガニ魔人』
堀米 けんじ (著)
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大ヒット映画『パコと魔法の絵本』に登場するポップアップ絵本を再現した本です☆
かなり高価な本(¥6000+税)ですが、迫力のある大きな飛び出し満載の素晴らしい絵本です。(ただし、残念なことに2015年現在では絶版になっていて、人気のため「復刊ドットコム」で一度復刊されたのですが、現在は再び入手困難になっているようです。なお(¥6000+税)は復刊時の価格で、もともとは(¥3800+税)だったようです)
各ページの中央から、ガマ王子やザリガニ魔人が、ど迫力で飛び出して来ます☆ その大きさ&精巧さは、しかけ絵本の魔術師サブダさんの絵本並みです☆
ただしサブダさんの絵本には、ページ脇に小さい飛び出し絵本がついていることが多いのですが、この絵本にはそれがありません。映画に登場してきた本をかなり忠実に再現しているからですが、脇の小さい絵本なしの方が、ページを開いた時に、真ん中から飛び出るザリガニ魔人の迫力に、ストレートに「わー!」と驚けるような気がします。
実はページ脇の小さい絵本には、ページの厚みを均等にするという機能があります。しかけ絵本のしかけは「中央から飛び出す」ものが多いので、ページを閉じた時に、どうしてもページ中央だけが盛り上がってしまう傾向があります。サブダさんたちの豪華しかけ絵本は、ページ脇に小さいしかけ絵本を付けることで、それを補正しているのです。この本は、その問題を「飛び出す部品の格納位置」や「サブダさんの絵本より薄めの丈夫な紙」を使うことで克服しているようです。技法的にも参考になります。(ペーパーエンジニアリングは、『ONE PIECE GRAND PAPER ADVENTURE 3D』の、さくらいひろしさんが担当しています。)
さて、本の内容の細かい紹介に入るまえに、『パコと魔法の絵本』という映画のストーリーを簡単に紹介します。
あるところに、変人ばかりが集まる妙な病院がありました。院内一の嫌われ者で偏屈クソジジイの大貫は、ある日パコという少女と出会います。彼女にも意地悪にしか出来ない大貫は、紛失した純金のライターを、パコが盗んだと誤解して、頬を引っ叩き泣かせてしまいます。
ところが翌日、パコは殴られたことだけでなく、大貫のことすら覚えていませんでした。実は、パコは事故で両親を失い、彼女だけが奇跡的に助かったのですが、事故の後遺症で、たった1日しか記憶を保てないという記憶障害になっていたのです。
大貫は、パコのために何か出来ないかと考えるようになり、病院の皆に頭を下げて、一緒に彼女の愛読する絵本の演劇をしたいとお願いするのです。そして……。
というハートフル・ファンタジーです。
……が、登場人物が変人ばかりで、3Dや、フルCGをふんだんに取り入れた奇想天外な映像の連続。とにかく、「こてこてのB級映画」という感じで……「しかけ絵本好き」「ユーモア好き」「B級映画好き」のはずの私でしたが、なんとなくポカーンという取り残され感がありました(汗)。(わざとらしいわ。やりすぎでしょ、という感じ)。好き・嫌いが分かれそうな映画ですが、DVD(ブルーレイ)も出ていますので、興味がある方は、是非ご覧下さい。

しかけ絵本の紹介に戻りましょう。
本には付録として「この絵本を楽しむために」というリーフレットがついています。その内容は、映画の中の絵本の『ガマ王子対ザリガニ魔人のお話』の物語の完全版と、絵本の読み方です(絵本は物語の進行に合わせて、一度だけですが「前にページ戻る」必要があります)。絵本の方には、物語のダイジェスト版が書いてあるだけなので、このリーフレットと合わせて読むと、いっそう楽しめるようになっています(読み聞かせに使っても良いと思います)。
・1~2ページ目:ママからのメッセージと、物語の始まり(カエルのイラスト)しかけ無し。
・3~4ページ目:怒ったガマ王子が、池から大きく飛び出してきます。
・5~6ページ目:剣を握ったガマ王子が飛び出して、八つ当たりで周囲の家をぶっ壊します(回転しながら飛び出すしかけ)。
・7~8ページ目:お城のガマ姫の嘆き。(紫色の大きなお城が飛び出してきます。円柱状のお城の塔が美しいです)
・9~10ページ目:水草の花を食べた意地悪ガマ王子のお腹がぱんぱんにふくれます。
(ドーム型にふくれたお腹の大きい飛び出し☆ お腹の中も見えます。周囲のめだかも動きます)
・11~12ページ目:ザリガニ魔人の登場! ページの上まで、高く大きく飛び出します☆。
・13~14ページ目:燃える闘魂のガマ王子が、剣を振り上げて立ち上がります(飛び出すしかけ)。
・15~16ページ目:ザリガニ魔人に立ち向かうガマ王子でしたが……。(ザリガニ魔人と瀕死のガマ王子が飛び出すしかけ)
・17~18ページ目:池のガマ王子と水草の花(花々が開きます)