『ジョークの哲学 (講談社現代新書)』
加藤 尚武 (著)
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ジョークに哲学的考察を加えた無粋な本です(笑)。もっとも哲学的考察といっても、哲学者がジョークについて、事例をもとによーく考えてみたという程度のように思えましたので、ジョークと哲学の関係について深く考えたい方には、ちょっと期待外れかもしれません(汗)。
この本では、哲学者の加藤さんが、さまざまなジョークを類型化し、どうして面白いと思うのかを考察してくれるので、読み進めるうちに、なんとなく、ジョークの作り方が分かっていくような気がします。
加藤さんによると、「高速道路は止まることも出来ない拘束道路」のようなダジャレは、作ろうと決心すれば誰でも作れるそうで、とにかく同音異義語を探せばいいのだそうです。なるほど、Googleなどの予測変換を使っているうちに、予測できない「笑い」の不意打ちをくらったりしますもんね☆
このようなダジャレを皮切りに、さまざまなジョークの事例が、類型的に紹介されていきます。
たとえば、車で家に帰ったうっかり者の教授が、車庫を開けたら中が空だったので、「車を盗まれた!」と大騒ぎする話のように、やりがちな人間の錯覚を笑うものとか、お医者さんに「元気をだしなさい。私も昔この病気をしたことがあるから」と励まされた患者さんが、「でも先生は、他のお医者さんにかかってたんでしょ」と返すようなブラック(?)なものなど、面白いジョークが、タイプ別に紹介されていきます。
哲学的考察はともかく、単純なジョーク集としても楽しめると思います。
えーと、あまりたくさんのジョークをネタバレしてはいけないと思いますので、最後にもう一つだけ紹介して終わりにします。
「夜、小用に起きて戸を開けようとしたが、宵からの雪で凍りついて開かない。いいことがある。敷居の溝に小便をかけると、滑らかに戸が開いた。外へ出たが、何も用がない」
これは江戸の小話だそうですが、このちょっとテンポが悪くてストンと落ちない、しまりの悪さが、戸の外でポカンとつっ立っている感じにつながって、むしろイイ感じの小話になっていると思いませんか?