『第五の権力—Googleには見えている未来』
エリック・シュミット (著), ジャレッド・コーエン (著), & 1 その他
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Googleの会長エリック・シュミットさんが、GoogleのシンクタンクGoogle Ideas創設者兼ディレクターのジャレッド・コーエンとともに描いた近未来予測本です☆
この本を読むと、Googleが考えている未来予測図(世界の変化の方向)が分かります。それほど目新しい予測があるわけではありませんが(汗)、私たちの身の回りのことから、政府やテロ・戦争まで(!)、幅広く近未来の姿を網羅的に予測してくれているので、これを読んでおくと、未来がどういう方向に向かっているかを考えやすいと思います。
内容には、驚くような目新しい予測はありませんが、逆に、かなりの確度でそうなると思われる未来が描かれているとも言えます。生活から国家・戦争まで、とても幅広く、かなり納得できるような未来予測をしているので、今後の社会がどうなっていくんだろう、と考える時のベースとして使えると思います。
ところで、タイトルの「第五の権力」というのは、2025年頃には、世界のほとんどの人々が持つと思われる権力のことだそうです。
現在、国家権力は「立法」「司法」「行政」の三権で統治されていて、それに加えて20世紀型の報道機関は、政府を監視する「第四の権力」と言われてきました。そして2025年には、世界のほとんどの人々がインターネットなどで世界中とつながって、自由に発言をし、さらには革命を起こすパワーさえも手に出来ることになることが予想され、それを著者たちは「第五の権力」と呼んでいるのです。
本書の内容は、近未来の生活を予測した「第1章 未来の私たち」に始まって、「第2章 アイデンティティ、報道、プライバシーの未来」で、個人情報などのリスクや報道の未来を描きだした後、「第3章 国家の未来」、「第4章 革命の未来」、「第5章 テロリズムの未来」、「第6章 紛争と戦争の未来」、さらに「第7章 復興の未来」へと続く、全7章で構成されています。
一般的な未来予測だと、この第2章から3章ぐらいまでだと思いますが、さすがは国際的大企業のGoogleだけあって、世界的に深刻な問題の、テロや戦争の近未来予測も欠かしません。これらの予測も、ほぼ納得できるものが多く、ただの「予測」ではないリアリティを感じてしまいます。(無人機による攻撃やサイバーテロなど、背筋がちょっと寒くなるような予測もありましたが……これはもう「予測」段階ではないですね。現実にも起こってきています……)。
著者たちは、全体としては、未来を楽観し、将来の世界は、想像以上に平等主義で風通しがよく、興味深いものになると信じているようです。
これからの私たちは、現実世界の他に、拡大し続ける仮想世界(インターネットなどの世界)の二つの世界に同時に暮らすことになることは間違いないでしょう(これもすでに現実です)。そして発展スピードの速い仮想世界は、現実世界に影響を及ぼし、現実世界をもどんどん変えていくと思います。
近未来がどのように変わっていくかについて、この本を読んで、自分で前もって考えてみることで、変化し続ける世界に、よりうまく対処していけるのではないでしょうか。