『脳を鍛える大人の計算ドリル―単純計算60日』
川島 隆太 (著)
最近、物忘れが多くなってきたし、暗算に時間がかかるようになってきた……と、脳力・計算力の低下に焦りを感じている方の「脳トレ」ドリルです。
パソコンや電卓の普及に伴い、日ごろ、手計算などしなくなって、簡単な暗算でも難しい、面倒だと感じてしまう方は多いのではないでしょうか(汗……私もです)。この本で、毎日計算のテストを受けることは、脳トレになるだけでなく、いかに自分の計算力が落ちているかを再認識させられ、計算の勉強をやり直す良い機会になると思います。
このドリルでは、1日に1枚ずつ、簡単なたし算・ひき算・かけ算で構成された問題を100題ずつ解いていきます。時間を計って、できるだけ速く解くようにします。速く解くことによって、より左右の脳の多くの場所が活発に働くそうですが、なんだか小学生に戻ったような気もします(汗)。
他のドリルと同じように、点数を毎日グラフにして、自分の進歩を確認することもできます(もちろん、これは必須ではありません)。また、別冊の「教材5日分に1回、「前頭葉東京機能検査(Iカウンティングテスト、II単語記憶テスト、IIIストループテスト)」もありますので、これを使うと、自分で前頭葉の働き具合を確認できるようになっています。
「計算」とか「数学」とかいうと、この文字を見ただけで拒否反応を起こす人もいるかもしれませんが(汗……私も少し、そうでした)、実は、漢字などの脳トレよりも、計算の方が楽だったりします。漢字などの脳トレは、「たくさんの漢字を覚えている」ことが必要なのですが、計算の方は「0~9までの文字」と「四則演算の記号とその意味」だけを思い出すだけで始められるからです。この計算ドリルはとても人気のようで、なんと『計算ドリル7』まで発売されています。
ところで、このドリルで、すっかり計算力が向上した方は、毎日の習慣を続けるために、他の脳トレドリルを行うのも良いですが、宮本パズルや数独などの、もっと難しい算数系パズルに進むのも良いかもしれません。
実は、脳トレドリルを漫然と続けても、認知機能は向上しないという研究結果があります(詳しくは『40代からはじめるボケない生活術』の記事をごらんください)。このドリルで、「自分の現状を把握する」、「脳を使う習慣をつける」をつけることが出来たら、書店や図書館に行って、算数パズルなどの、新しい興味をそそられる本を探すことを始めましょう。脳を使うことだけでなく、体を使うこともボケ防止にはとても大切です。
そしてもっといいのは対戦型のゲームをすることだそうなので、「麻雀」や「囲碁」、「将棋」などのゲームを初めてみるのもいいかもしれません。
脳も体力や筋力と一緒で、毎日、積極的に使う習慣をつけることによって、機能の低下を防ぐことができます。私も頑張りたいと思います……(汗)。