武蔵野美術大学 美術館・図書館が所蔵する「しかけ絵本・とびだす絵本」のコレクションの中から、選りすぐった約200点を紹介してくれる本です。
18世紀の貴重な古いしかけ絵本から、現代のしかけ絵本まで、豊富な写真とともに紹介してくれるので、名前でしか知らなかったような絵本の中身を見ることが出来ますし、一部には、しかけを動かした連続写真もあります☆
この本のきっかけになったのは、2013年の秋に、武蔵野美術大学図書館展示室で開かれた、しかけ絵本の展覧会だったそうですが、その際の図録の拡大増補版がこの本だそうです。
ブルーノ・ムナーリ、ロバート・サブダ、マシュー・ラインハートなど有名作家の代表的なしかけ絵本を年代別に写真掲載してあるだけでなく、巻末の専門家による解説がとても参考になります☆ 佐久間保明さんの「しかけ絵本の歴史的展開」で、日本のしかけ絵本の歴史を知ることができますし、本庄美千代さんの「しかけ絵本の歴史・構造・技法」では、しかけ絵本全体の歴史と変遷が紹介されています。
しかけ絵本に興味のある方にとっては、本当に貴重な情報満載の、永久保存版になること間違いなしの本です☆
3000円弱と値段は少し高めですが、なんとこの本にも「飛び出すしかけ」が入っています。実は最初に読んだときには、気づかなかったのですが(汗)、読み終えて表紙を閉じた時に、表紙の帯に「この本の中にも飛び出すしかけが入っています」とあるのを見て、「え? あったっけ?」と読み直したら、表表紙の扉裏にありました☆ ピンクと水色の紙が細長く切られたものが、波打つように立ち上がります。しかも、ページを開閉すると、紙がこすれて音もします(これは意図したものではないかもしれませんが……)。普通の子供向けのしかけ本には、あまり使われない技法なので、とても興味深いです☆(繊細で美しいのですが、乱暴に扱うと壊れやすそうだからでしょうか?)
とても参考になる本で、お勧めです☆